【上級者向け】各タイプの劣等機能を解説!無意識の機能の働きと現れ方

性格タイプと 劣等機能の使い方

この記事は「【完全攻略】これを見ればMBTIや性格タイプの全てが分かる!基礎から応用まで幅広く網羅!」のSTEP3になります。心理機能について分からない場合は、先に上記の記事をご覧ください。

【注意】
劣等機能は自身の無意識の機能です。
見ることで心の負担になることもありますので、見るときは体調を整えリラックスした状態でご覧ください。

目次

劣等機能を理解するメリット

その人にとって最大の苦難とは何か、その人を最も悩ませるものは何か、その人はいつもどういうところで壁に頭をぶつけて、どん底でもがき苦しむのか。大抵はそこに劣等機能が見出せる。

ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

劣等機能とは、その人の無意識下にある機能のことです。主機能のちょうど反対側の機能が劣等機能になります。(Tiが主機能ならFeが劣等機能)
劣等機能は最も原始的な分化(≒発達)していない機能で、反応が遅くネガティブになりやすい傾向があります。

ユングの弟子であるフォン・フランツは「劣等機能の領域には人生が見事に凝縮されている」と述べていますが、これは本当にその通りで、劣等機能は無意識のうちから人格に影響を与えたり、ふとした拍子に表に出てきて主機能に抗うこともあります。
劣等機能を理解すると以下のことが分かるようになります。

自身が怒りに駆られるポイントが分かる
自身の劣等性との本当の向き合い方が分かる
自分が無意識に求めていることが分かる

劣等機能の基本のキ

①劣等機能は無意識の機能である

劣等機能を訓練するという記述をたまにネット上で見かけることがあります。その心意気は見上げたものですが、残念ながら劣等機能は訓練できる代物ではありません。なぜなら劣等機能は無意識の機能だからです。

もう少し具体的にお話ししましょう。心理機能が分化(≒発達)するということは、心理機能を意識的に使うことができるようになることを指します。例えばTeであれば、自分から切り離してロジカルに物事を考えることができるようになるでしょう。もしTeが劣等機能だった場合、Teは未分化(≒未発達)となり意識に上がることはめったにありません。

つまり、Fiユーザーは自由にTeを呼び出して判断するということができないのです。じっと辛抱強く考え続けて頭にTeが浮かんだり、Fiの奴隷として自分の”感じ(feeling)”に合うTeだけを捉えたり、そういった形でしか現れない困った機能なのです。

ちなみによくある誤解としてFiユーザーは物事を考えられないと誤解されますがそうではありません。自分と切り離して物事を考えるのには時間がかかりますが、関係の中で彼らはよく物事を考えたり感じたりしています。詳しくは下記記事をご覧ください。

②劣等機能はよく主機能に仕事を奪われる

先ほども少し触れたとおり、劣等機能は無意識の機能であるがゆえに、意識的に使うためには時間をかけて辛抱強く待たねばなりません。そんな時、やかましい主機能が出てきて早くしろと急かして仕事を奪ってしまうのです。こうなっては劣等機能が表に出る機会がなくなり、いつか爆発してしまうでしょう。

例えば、思考タイプの人は自分の感情と向き合わずに「~べき」という形で物事を進めてしまうことがあります。
相手と喧嘩をしたとき思考タイプは、自分から切り離してものごとの原因を考えるでしょう。より客観的で正しい答えを探そうとしますが、それでは感情機能が育つ機会を奪ってしまいます。
自分や相手がその場で何を感じ、どういう価値観に触れた結果喧嘩が起きたのか。自分の気持ちを守りながら、相手の価値観に合わせるにはどういう方法をとるべきか。思考を捨てなければこれらの感情的判断に到達することはできません。思考機能は感情機能と同時には働かないからです。

このように、劣等機能の未熟さとのろまさに耐えかねた主機能が仕事を奪うことで、劣等機能が表に出る機会を奪ってしまうのです。

③放置すると爆発する

劣等機能は放置すると後で手痛い目に遭います。何かしらの形で満たしておく必要があるのです。例えば、Feユーザーが過度に主機能を使いすぎると、周りの客体に過度に自分を同化してしまい、コロコロ別人のように気持ちが変わってしまったりすることがあります。そうなると、状況が変われば同じ対象を全く逆に評価する人になってしまい、主体性のない困った人になってしまいます。

FeユーザーにとってTiは自身の思考の一貫性を担保するため、無意識下でこの機能がしっかりと働くことによって自己の同一性を他者から守ることができるのです。
このように劣等機能は主機能のバランスをとる機能となっており、無視し続けることで必ずと言っていいほど悪影響を及ぼします

④劣等機能は原始的で未熟である

劣等機能は人生で使われることがないため、基本的に原始的な、子供じみたものとなります。劣等な感情機能であれば単純な好き嫌いだけで物事を判断し、感覚機能であれば強い刺激や複雑な状況に耐えられず現実を正しく把握できません。

このような未熟な機能は相手に触れられることで、どんな些細なことであっても批判されたように感じてしまう敏感な部分です。これに対応するには未開の地の人間に接するような礼儀正しさで、ゆっくりと接近する必要があります。

劣等機能に触れる必要があるときは十分に注意すること、時間をかけてゆっくりと対応することをお勧めします。

目次

ここからはそれぞれのタイプ毎に劣等機能を見ていきます。
下の目次から各タイプの見出しにジャンプすることができます。

知覚機能Ne
外向的直観
Ni
内向的直観
Se
外向的感覚
Si
内向的感覚
劣等Si劣等Se劣等Ni劣等Ne
ENFPENTPINFJINTJESFPESTPISFJISTJ
判断機能Fe
外向的感情
Fi
内向的感情
Te
外向的思考
Ti
内向的思考
劣等Ti劣等Te劣等Fi劣等Fe
ENFJESFJINFPISFPENTJESTJINTPISTP

劣等機能:Si 外向的直観(Ne)が主機能の場合 – ENFP, ENTP

外向直観タイプは、ややもすると自分の身体や肉体的欲求に気を配らない。まるで疲れを知らないし、気づきもしない。彼に分からせるには過労で倒れることが必要である。いつ空腹かがわからないし、過度に偏ったタイプは、身体に由来する感情がまるで分からない。

ユングのタイプ論に基づく世界諸国の国民性 – 山口實

外向直観タイプは内向感覚機能を劣等機能に持ちます。彼らは具体的な事実や身体的な欲求に気を配ることをせず、たいてい健康的な生活を送っておらず、送っていたとしてもそれは身体の求めからではなく、”健康であること”が必要だと考えるからでしょう。

劣等機能が勃発するきっかけは様々です。身体的疲労や自身の価値観が否定されたとき、自由な思考や知覚が制限されている時などにこのタイプの劣等機能が爆発します。
劣等機能が爆発すると、過度に細かい点に固執したり、具体的な事実を見落としたり、自分の身体へ執拗なまでにこだわりを持とうとします。

特に、忙しすぎる生活から自分の欲求を満たせていないときに起こることが多いようです。

ユングの弟子が診察したNeユーザーの患者の話をあげてみましょう。あるところに優秀な実業家がいました。Neユーザーの彼はどこに投資すべきかを心得ており巨万の富を得ていました。しかし、彼は忙しすぎて自分の身体的欲求を無視し、強迫症状を患ってしまいました。ユングの弟子は彼の診察をし、自然と触れ合うことを進めたのです。スイスの田舎を延々と歩き、日の出や、岩陰の花を目にするといった内的な体験を通して彼は物静かで寡黙になって戻り、内側の何かが動いた体験をしました。

こうして自然と触れ合い、自身の内的な体験と触れ合い続けることによって強迫症状はなくなっていったそうです。

この例のように、ある種の強迫症状に陥っている時は自身の欲求、特に身体的な欲求を満たすようにするとよいかもしれません。時間をかけて周囲を散策し、その中で内的な体験をする。散歩は身体的欲求を満たすために必要なことなんて考えはダメです。事実に目を凝らしゆっくりと自身の内側に何が起きているか体験してみてください。

劣等機能:Se 内向的直観(Ni)が主機能の場合 – INFJ, INTJ

私の知り合いに内向的直観タイプの女性がいて、一緒にブラウスを一枚買いに行ったのだが、もう二度とご免だ!はてしなく時間がかかり、しまいには、店にいる皆の気が変になりそうだった!

ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

Niユーザーの劣等機能は外向的感覚(Se)です。例えば粘土で自分の心に浮かんだ形を作ろうとするとき、私たちはSeを使います。Niユーザーは粘土を形にすることで、自分の中の何かが向上するのを経験するのですが、すぐにその形の象徴的な意味について考えてしまい、また別の形を作るなど考えもせずに思考の空に飛んで行ってしまいます。

このタイプの劣等機能による覆い隠しについて見てみましょう。例えば人と付き合う時、直観ユーザーは個人的なものではなく、習慣的な、技術としての感覚を使っていることが多いです。それらについての個人的資質を彼らは持ちあわせていません。
彼らはその人個人として関わることが苦手で、人付き合いは「こういうもの」と言った具合にテンプレートに押し込んで関わろうとする傾向があります。

劣等な感覚はふとした時に現れるものであり、常に知覚できるわけではありません。彼らは周囲の五感を通して得られる事実に鈍感であり、味をありのまま感じたり、その場の匂いの変化にすぐに気付いたりすることができません。たいてい数分経ってから、「この部屋、なんか変なにおいがし始めたぞ」などと真剣に言い始めるのです。

劣等機能:Ni 外向的感覚(Se)が主機能の場合 – ESFP, ESTP

彼は、工場でどんなふうに化学製品が製造されるかに関しては雄弁だった。私はいまだにハーバー・ボッシュの過程を覚えている。しかし、元素の相互関係の一般理論などになると、あまり教えてはくれず、こういうのだった。「それはまだ科学では未確定で、日進月歩に、変遷し発展する理論なのです」。こうして、彼は仕事の一面を端折ったのである。

ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

外向感覚タイプの劣等機能は内向的直観(Ni)です。このタイプは五感で感じたことを一番に信用するため、オカルトや宗教、心理的な問題、理論やパターン認知などを軽視する傾向があります。

Seユーザーは特に将来のことを考えるのが苦手です。未来を適切に捉え、それをイメージしながら進んでいくのがNiですが、Seユーザーは真剣に未来を考え始めようとすると迷子の子供のように見知らぬ世界に放り出されたような心持になります。

この発達していないNiによって、Seユーザーはときどき悪い予感にとらわれます。病気になるかもしれない、災難が降り注ぐかもしれないなどと考え、その思考が堂々巡りしてメンタルが不安定になることがあるでしょう。
これらは自分の個人的な問題を表したものであることが多いのですが、大抵は人と関わったり五感を使って現実を認識することでその場しのぎの対処をしてしまいがちです。

例えば、人間関係などの心理的な問題から体調を崩したとしても、低気圧や寝不足のせいだと一蹴してしまったり、今に集中することで性急に問題を解決しようとします。

一方で非常に現実的な視点を持っているにも関わらず、このタイプはオカルトや宗教などを調べるのが好きな人が多いことです。確かにこのタイプはそういうものを、くだらないものと一蹴しますが、ある時ぐいと劣等な直観に掴まれてしまうと無批判に信じ込んでしまうようになります。

怪しい宗教でなくとも、ある有名な人の言葉を妄信的に信じたり、仏教的な道徳を何も考えずに受け入れたり、自分の劣等機能を他人に委ねてしまうことがあります。

人生の目的や自分の将来のことについて考えてみたり、道徳的な問題を粘り強く考えることは難しいかもしれません。しかしそれを避け続けると、バランスを取るために無意識の直観が顔を出し、不毛な宗教運動に身を投じることになったり、悪い予感から体調を崩してしまったりするのです。

劣等機能:Ne 内向的感覚(Si)が主機能の場合 – ISFJ, ISTJ

彼らには未来はないし、将来の可能性もない。彼らが存在しているのは『今ここ』であり、その前には鉄のカーテンが聳えるのだ

ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

Siユーザーの劣等機能は外向的直観(Ne)です。この機能は、物事の可能性やパターンを知覚する機能で、具体的な物事を丁寧に知覚しようとするSiとはちょうど反対側にあります。

Siユーザーが直観を使うときは、直観機能が未発達なため悲観的な知覚をすることが多いです。黒猫を見て不吉なことが起こると感じてしまったり、災害や破局を過度に恐れて不安な気持ちになったりすることがあるでしょう。

ISFJなら嫌われているかもしれないと過度に考えて不安になったり、ISTJなら自分の選択や行為が本当の意味で合理的でないのではないかと不安になったりします。

劣等な直観と向き合うためには、急いではいけません。直観を素早く絵にして表現するなど、急いで向き合おうとするとめまいや船酔いのような症状になり、不安感に押しつぶされてしまいます。
こういった不安と向き合うには、横になるなどリラックスした状態でゆったり構えて直観を書き留めてみるなど、急ぎすぎないことが大切です。

劣等機能:Ti 外向的感情(Fe)が主機能の場合 – ENFJ, ESFJ

まったくひどい霧の日に型どおりにこう言ったのだ。「とっても素敵な日じゃないですこと」。それを聞いて、わたしにはこんな言葉が思い浮かんだ。「あら、主機能がお騒がしいですこと」。

ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

Feユーザーの劣等機能は内向的思考(Ti)です。このタイプは疲弊していない限り、心から気持ちよく「またお目にかかれて嬉しいです」や「今日はいい天気ですね」などと言うことができます。

これは自分の感情と周囲を結び付けるFeユーザーの得意とするところですが、劣等機能はその真逆にあり、自分と外界を切り離して思考する機能です。

劣等機能は発達しておらず未熟であるため、否定的な思考になります。がさつで批判が過ぎる思考判断力と言ってもいいかもしれません。
普段は表に出さないようにしており、実際表に出ることはあまりないでしょう。なんなら本人ですら考えないようにしていることなのですが、自身への思考に対する批判や疲労をきっかけに、批判的で皮肉な考えを秘めていることが表に出てしまうことがあります。他の感情に敏感なタイプがそのことを察知したとき、そこには普段と違う冷え冷えとしたFeユーザーの姿が映し出されます。

Feユーザーにとって思考は鳥のようなもので、頭の上に舞い降りてきた思考を努力して捕まえなければふっと飛んで行ってしまうようなものです。このため、Feユーザーは既にある考えや制度に魂を売り渡すことがあります。信頼できると一度判断したらその人が言うことを無批判に受け入れ、その体系に本当に納得しているのか、事実と合っているかを考えることを止めてしまうことがあるのです。

思考を意識的につかめたなら、ゆっくりとリラックスして考えてみましょう。どんな感情なのか、もしその思考になるならそれは何を意味するのか。どうしてそう考えたのか自ら問いただしてみましょう。
いくら時間をかけても問題ありません。その思考は人生において考えなければならない個人的な問題かもしれないからです。

劣等機能:Te 内界向的感情(Fi)が主機能の場合 – INFP, ISFP

感情タイプの人たちは、何かといえば実にありふれたコメントをしがちで、その内容たるや牛でも言えそうなことであるーもし牛が喋れたらの話だが。

ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

Fiユーザーの劣等機能は外向的思考(Te)です。この思考は普段は意識に上がってこないため、洗練されておらず非常に未熟な段階にとどまっています。これは決して知能指数が低いことを意味しません。必要な時に適切な思考が意識的にできないというだけです。例えば、ある学校のカフェテリアは自由席で誰でも自由に座ることができますが、どのグループがどこに座るか何となく決まっているとしましょう。Fiユーザーがそのことで一度注意されて思考を働かせようとすると、膨大な事実から上手く原因を考えられず、最終的に「すべての席は誰が座るか決まっているかもしれない」などと誤った結論を出すかもしれません。

この例では感情機能の合理性を使っていないため、実際のFiユーザーは相手の感情をくみ取り合理的な判断ができますが、一度思考を使おうとすると事実の山に圧倒され、上手く考えることができなくなってしまうのです。

また、このタイプは過度なストレス下に置かれると、未熟でネガティブな思考機能が顔を出し、自分の能力が足りていないと思い込んだり、白黒はっきりつけるように他者を攻撃的に批判したりするようになります。
どちらにせよ、その批判は根拠が足りていなかったり、恣意的であったりするため、周囲の人からは未発達の外向思考タイプのように映ります。

平常時には、この対となる思考機能により、自分の中の理想や感情を現実的な水準まで擦り合わせていくことができます。また、無意識にある闘争心や富・名声への興味をしっかりと受け入れ大事にするようになるでしょう。
無理に思考機能に付き合う必要はありませんが、思考をするときはリラックスしてゆっくりと行うことをお勧めします。

劣等機能:Fi 外向的思考(Te)が主機能の場合 – ENTJ, ESTJ

彼らは、自分にあることに対する感情があるのか、あるとすればどんなものか、半時間ばかり座って熟考しなければならない。思考型の人に何を感じているかを尋ねると、大抵思考を用いて返事するか、反射的に紋切り型の返答をするかである。

ユングのタイプ論―フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

Teユーザーの劣等機能は内向的感情(Fi)です。TeユーザーはTeによって外界の合理性に自身を適合させようとします。効率的な物事の進め方や、自身の出世などを考えながら合理的な選択をとり続けるでしょう。しかし、その対にあるのが内向的感情機能で、この機能によってTeユーザーは理念や自身の価値を再認識することができるのです。

このタイプが晩年になって自分の価値を問い始めるのも、劣等な内向的感情によるものです。自分は何のために生きてきたのか。人生の意味とは何だったのか。そういった「自分の」問題に向き合うためにFiは重要になります。

勘違いされやすいのですが、Teユーザーは愛情や愛着を持たないわけではありません。確かに表には出しませんし、ともすれば一生愛情表現というものをしないかもしれませんが、未熟な感情機能は時として純粋で温かい愛情を示すことがあります。他のタイプと同じように、彼らは”感じる”ことを意識的にできず、感情的合理性が全くないため、それゆえにがさつですが、シンプルな感情を持っているのです。

このタイプの感情はとても子供じみたものとなり、会ったこともない女性に詩を送り続けたり、感情的ないざこざをよく起こしたりします。
Teユーザーは普段これらの未熟な感情を隠しますが、そこにこそ自分の生きる意味があるかもしれません。

リラックスしながらゆっくり時間をかけて自身の気持ちを感じることをしてみるのもいいかもしれません。

劣等機能:Fe 内向的思考(Ti)が主機能の場合 – INTP, ISTP

このタイプの人の感情は、人間の赤ん坊と遊ぶ雌ライオンのようである。ライオンには遊ぶこと以外の意図はないのだが、喉をグルグル鳴らしながら赤ん坊の足を撫でるか、ペロリと平らげてしまうか、一撃で赤ん坊を倒して顔を舐めたりする。

ユングのタイプ論―フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –

Tiユーザーの劣等機能は外向的感情(Fe)です。思考タイプの劣等な感情は一般的に好き/嫌い、快/不快、白/黒をはっきりと区別します。そして外向的思考タイプの感情と比べ外に出やすいため、周囲の人はすぐにその感情的な未熟さに気付くでしょう。

このタイプの感情は非常に純粋であり、純粋であるがゆえに粘着質で壊滅的な感情になります。このタイプの感情には打算など全くなく、相手のためだけに感情を使います。しかし、柔軟性に欠け、打算や欺瞞を悉く排除していき、最終的にはネガティブな感情から周囲との関係を悉く破壊していきます。

感情ユーザーの合理性とは、どんな相手でも肯定的に捉えるよう感情を働かせ、自身の欲求と折り合いをつけようとするものです。これは思考タイプには全く起きない現象で、彼らにとって嫌いな人とニコニコ付き合うのは耐え難いものであり、打算や欺瞞とさえ感じるでしょう。

言うなればこのタイプの劣等機能は犬の愛情表現のようなものなのです。全くの打算もなく、相手にしっぽを振る犬は、それだからこそ心を動かされるのです。それと同時に危うさも持ち合わせています。細かな感情的判断ができないため、些細なことに容易にかみついたり、執着的な愛情に人生をささげたりしてしまうのです。

これらの感情と向き合うことで、論理的でないことを受容したり、自他の感情的な側面を尊重することができるようになります。自分の気持ちの深さに気付き、世界を再構築することができるのです。

まとめ

劣等機能は人生が凝縮されています。私たちが中年期以降に向き合うことになる課題は劣等機能にあることが多いです。自分の劣等機能が何で、どういうところに心が揺さぶられるのかを認識し、受け入れることが大切になってきます。

劣等機能を支配しようとしてはいけません。成長させるのではなく、劣等性も含めて受け入れることで、無意識的に愚かなことをしてしまったり、ふとした拍子に爆発してしまうことを防ぐことができるのです。

第二、第三機能が発達していない場合はそちらから成長させていくのが良いでしょう。一足飛びに機能を発達させることはできません。苦手な機能ほどゆっくり、リラックスした状態で向き合うように心がけるとよいと思います。

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