TeとTiの違い

この記事ではTeユーザーとTiユーザー、すなわちTJ型とTP型の違いを考えていきます。TeまたはTiを上位機能に持つ人にとってはこの違いはかなり明確ですが、F型の人たちの中にはこの二つの機能の違いの区別が難しい人もいると思います。

目次

定義

定義の違い

思考機能であるTeとTiはどちらも「与えられた表象内容に概念的なつながりをもたらす」心理機能です。両者共に論理的であり知的判断を下すという共通点がありますが、情報源をどこに頼るかが異なります

Teは感覚によって知覚される客観的な外的な事実によって概念的なつながりをもたらし、自身の行動を方向づけようという機能です。Teユーザーは独創的な考え方よりも、一般的に受け入れられるいわゆる”常識”を好み、断固とした態度によってこれを守ろうとします。

Tiは心の内部の無意識的主観的なものによって概念的なつながりをもたらし行動を方向づける機能です。客観的事実や常識に基づいて方向づけをするよりも、独自の見解を見出すことを得意とします。

「客観的事実」の位置付け

Teユーザーにとって「客観的事実」は絶対的な価値を持ちます。思考の向きは内側ではなく主に外側を向いており、伝統や教育などといったものによる外的な既成事実に則って思考します。しかし、これは主観的な思考過程が完全に排除されるという意味ではありません。Teユーザーも主観的な思考をする事がありますが、その後の過程で再び客観的な既成事実や概念に立ち戻ることになります。

Tiユーザーにとって「客観的事実」は原因にもならないし目的にもなりません。外で何が起ころうが自分には関係ない、というような態度をとることが多いのがTiユーザーです。ただしこれは彼らが事実を完全に無視するというわけではありません。必要に応じて現実的な事実の領域に深入りすることもあります。しかし、Tiによる思考は必ず主体(自分自身の内面)で始まり主体に戻ります。Tiユーザーにとって「客観的事実」は、独自理論に説得力を持たせるための裏付けとしての要素が強く、事実それ自体が独自理論に優越することは決してありません

Teは自然科学的 Tiは数学的

Teの考え方は物理や化学をはじめとした自然科学の学問的アプローチの方法に通ずる所があります。自然科学では、物理現象(客観的事実)から公式や理論を考え出し、それが一般性を持つかどうかを実験して確認します。一般性が怪しいようなら、公式や理論に修正を加えまた実験します。これを繰り返すことによって、外部の自然現象を100%予想し、説明できる理論を生み出します。自然科学にとって客観的事実は絶対的な価値を持っており、これはTeユーザーの特徴と共通しています

Tiの考え方は数学に似ています。数学は自然科学と違い、外部の物理現象に依存しないその理論の内部で完結している学問です。「1+1=2」など外部の現象と対応する部分はありますが、実験や観察に基づくエビデンスには依存せず、純粋に論理的な推論と抽象的な概念に基づいています。このように数学の理論は、数学自体の内部的な構造と規則に基づいており、これはTiユーザーの特徴と共通しています

以上の記述はあくまでもTeユーザーとTiユーザーを学問に喩えたものであり、Teユーザーは自然科学が得意でTiユーザーは数学が得意という意味ではありません。学問の向き不向きはまた別の話になります。

6つの違い

その1 ”公式” vs 独自ルール

Teユーザーは問題を公式に当てはめて解くかのように、現実における言動を方向づけます。例えば、「イエベだからこの服を着る」「有名な専門家がサウナは健康に悪いと言っていたからサウナを控える」「規則で決められているから守る」「結婚して子供を産むのが幸せとされているからそうする」「シュノーケリングする時にゴーグルの内側に石けんをつけておくと曇りづらくなるからそうする」といった具合です。

Tiユーザーは独自ルールで動きます。「自分がこうだと決めたから」「こう考えているから」というのが彼らの言動の根拠です。 “常識”を疑って見たり、無視して自己流を貫きます。納得できないことは受け入れません。彼らもTeユーザーと同じように”公式”に当てはめるようにして自らを方向付けることはありますが、それは自分の納得のいく”公式”に限られます。思考停止で”公式”を受け入れることはしません。”公式”の導出方法に不備があると感じた場合、それが一般的に受け入れらていることであっても否定的な見方をします。

その2「肯定&創造」vs「否定&分析」

Teの思考は肯定的で創造的です。新しい事実や多種多様な経験を総合して判断します。もちろんTeユーザーも分析をすることはありますが分析で終わることは決してありません。分析して分解されたものを別の方法で組み合わせて違った方法で理解をしたり、与えられた事実や経験にそれ以上の考察を付与します。

Tiの思考は否定的で分析的です。これはTiユーザーがネガティブな人間であるという意味ではなく、彼らが現実の物事を思考する際の性質——自分の内部の論理や原理に基づいて、外部の事実や規則に疑問を持ったり、反論したりする傾向——を端的に表したものです。自分の内部の論理や原理に従って、事実や経験をより小さな単位に分解し、それらの本質や原因や条件といったより深いレベルまで探求します。彼らは、自分の思考を常に検証し改善しようとしますが、それは自分の満足のためであり他人の評価や承認のためではありません。そのため、他人の価値観や社会の規範に代わるものを提案したり、創造したりすることはあまりないでしょう。

その3 厳しさ vs 自由

Teユーザーは”公式”によって自分を方向付けるだけでなく、他人に対してもそれを期待します。物事をきっちり枠内に収めようという厳しさがあり、Te domの場合はそれが積極的なリーダーシップとなって現れ、Te auxの場合は堅実にタスクをこなしたりミスを指摘する真面目さとなって現れるでしょう。これらの能力はチームスポーツであったり、命の危険が伴う工事現場や自衛隊において求められる能力です。

Tiユーザーは”公式”から解放されています。他人に束縛されるのを嫌いますし、逆に束縛するのにも興味がない事が多いです。リーダーシップを持つTi domもいますが、Te domと比べると自由でリラックスした環境作りを好みます。彼らは「やりたいことをやる」を一番に優先し、”公式”に従うのは二の次になります。そういう意味では起業家気質であるとも言えるでしょう。

その4 外見

Teユーザーの規律正しさは見た目にも反映されます。自分の振る舞いや外見を制御しようとするため、どことなく堅い雰囲気があるでしょう。

Tiユーザーはよりリラックスした印象を与える人が多いです。

その5 結果 vs 過程

Teユーザーは結果重視です。例えば規則や理論に則って行動しようというときに「なんでその規則や理論はそうであるのか」という疑問を持ちません。規則や理論に沿うことで目的が達成できればそれでいいのです。Teユーザーは車に乗るときに車がどのような原理で走るのかを疑問に持たないタイプです。便利だから乗る、ただそれだけです。(これはあくまでも例え話です。)

Tiは過程重視です。規則や理論の成り立ちに疑念を持ちます。その規則や理論に沿って動くことがいかに効率的であっても、彼らの独自理論と照らし合わせて納得がいかない場合徹底的にツイキュウします。Tiユーザーは車がなぜ走るのかに興味を持ち色々弄ってみるタイプです。実際にTiユーザーの中には機械いじりが好きだったり、ある分野について研究するのが好きな人が多いです。

その6 断定 vs 保留

Teユーザーは断定的です。明確で確信を持っています。白黒思考になりがちと言えます。

Tiユーザーは結論を保留する事が多く、柔軟な姿勢を保ちます。一つの考えに固執することはあまりありません。

まとめ

以上がTeとTi (TJとTP) の違いでした。どちらも論理的であるというような説明をされますが実際にはかなりの違いがあります。タイピングの際の参考になれば幸いです。

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