ユングは『心理学的類型』の中で、「静かな水は深い」という諺はこのタイプにぴったりである、と述べている。彼らには高度に分化した価値尺度があるが、それを表に出すことはない。
ユングのタイプ論 -フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能 –
INFPは、自身の中に正しい価値基準を持ち、グループの中で倫理的なバックボーンを作ることが多いタイプです。
自ら倫理的な教訓を説教することは少ないですが、その正しい態度や姿勢によって、周囲は立ち居振る舞いを正すように仕向けられます。
このタイプの価値基準は高度に分化(発達)しており、複雑な価値判断ができます。
複雑であるということは、ためらいを持つということでもあります。INFPは価値判断をする際、少し立ち止まりゆっくりと自分の内面に目を向けます。
私の感情はどのようであるか、私の価値観とどのような関係か、これを言ってしまってもいいのか etc…
深い水の中に潜るように、自身の経験や価値観と照らし合わせ、正しい判断を行おうとします。
普段はその深さに遮られ、外に声を発することはありませんが、意義深く必要であると判断したとき、INFPは価値基準を定め、周囲を正しく導きます。
これは、INFPが常に正しい価値判断を下すということを必ずしも意味しません。
感情機能(F)は価値観や感情に基づいて判断する機能ですが、一度価値判断をするとその評価を変更するのはきっかけが必要になります。
感情機能が発達するということは、価値判断が複雑化するということでもあります。画一的な判断をし、それをずっと固持し続けることで機能の発達が止まりやすいのも、感情タイプの特徴なのです。
彼らは自身の価値観が変わり、深まることを好みますが、それは自身の価値観との葛藤が生まれることによって初めて達成されます。そこには多くの場合苦痛が伴い、INFPを躊躇させるに十分な理由となります。
自身の感情や価値観を豊かにすることはINFPにとって人生の意義でもあり、挑戦でもあるのです。
INFPは自身の感情や価値観に誠実に生きることができる強さを持ちます。常に他者の感情に寄り添い、相手を心から尊重することができます。多くの葛藤を乗り越え、自身の機能を分化させるINFPは勇気のある性格タイプと言えるでしょう。
INFPの特徴
・人の気持ちに敏感で、思いやりがある
・自身の価値観に忠実で、ごまかしや欺瞞を嫌う
・弱い立場のものに共感し、引き寄せられる
・新しいことを学んだり、未知の場所を旅することに惹かれる
・好奇心が旺盛で将来の夢や可能性を話すことを好む
・感情が顔に出にくい
・慣習的なやり方やルーティンワークを嫌う